再転相続の相続放棄の手続き

〇 最近、突然、役所の固定資産税課などから、今まで知らなった不動産の所有者を確認する書類が届いたという相談が増えてきましたので、このページで、その場合における相続放棄の手続きについて説明させて頂きます。再転相続の場合、どの相続を承認し、あるいは放棄をするのか、またその順番が問題となります。その選択は個別の事案によりますので、詳しくは「再転相続」(さいてんそうぞく)、「代襲相続」(だいしゅうそうぞく)などで検索の上、最寄の専門家等にご相談下さい。また、専門家によって、意見が異なると思いますので、あらかじめご理解の上、以下、参照下さい。

不動産の名義人が父方の祖父である場合

この場合「祖父の死亡日」と「父の死亡日」の前後によって、次の2つの手続きのパータンが考えられます。

(パターン1:祖父が亡くなって、その後、が亡くなった場合)

【再転相続】例えば、父方の祖父名義の不動産について、その相続手続きなされないまま父が死亡した場合、相談者本人は「祖父の相続」と「父の相続」という2つの相続について検討しなければなりません。

 母も父の相続人になるため、母も相続放棄の手続きをする必要があります。
(パターン2:が亡くなって、その後、祖父が亡くなった場合)

【代襲相続】例えば、祖父が死亡する前に、父がすでに他界している場合、相談者本人は、祖父の相続に関しては父を代襲して相続人になるので、祖父の相続という1つの相続について検討すれば足ります。

 母は祖父の相続人ではないので、母の祖父の相続放棄手続きは不要です。

【再転相続における相続放棄の選択について】

ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
第1相続:祖父の相続 相続 相続 放棄 放棄
第2相続:父の相続 相続 放棄 相続 放棄
不可

ポイント

〇 表題のケースで問題となるのは、ほとんど「ケース4」の場合にあたると思います。ケース4の場合、第2の相続放棄、つまり父の相続放棄をすれば、第1の相続については手続きは不要だと説明されることが多いと思います。それはそのとおりなのですが、第1の相続放棄の手続きをしない場合、いったん父が祖父の財産を相続するという状況になるのが問題として挙げられます。

〇 熟慮期間期間内の場合、第1の相続放棄をした後、第2の相続放棄をすれば、ケース4については十分ですが、第2の相続を先にした場合は、父の再転相続人としての地位を失うので第1の相続について相続放棄をすることができなくなります。

〇 また、第1の相続放棄をする場合と、第2の相続放棄をする場合では、最終的に全体的に相続放棄をしなければならない範囲の相続人が異なることになります。

再転相続の熟慮期間

 原則的に、相続放棄をする場合は、相続人は、自己のために相続のあったことを知ったときから3か月以内に相続放棄の申述書を管轄裁判所に提出する必要があります。再転相続の場合は、2つの目の相続があったときから起算することになります。つまり、祖父の相続放棄についても、父の死亡に関する相続放棄の起算日から3か月以内に相続放棄を申請すれば足りることになります。

 すなわち、「所有者不明に関する書類」が届いた日を起算日として、それから3か月以内に相続放棄の手続きをしなければならないということになります。

<代襲相続>

 なお、代襲相続の熟慮期間については、祖父の死亡について、自己のために相続の開始があったことを知った時を起算日とするのが一般的です。

相続放棄の報酬規定

(税抜表示)報酬実費
【基本報酬①】
・死亡から3か月以内の申請
2万8千円
800
(印紙1人)
【基本報酬②】
死亡から3か月後の申請
3万8千円
〇基本報酬①②は2人迄。3人目から下記加算有
加算報酬
・3人目から1人につき
1万円
1人が複数申請する場合は2件目から1人追加として算出
添付郵券約500円
(切手1人)
戸籍取得費用
(1通あたり)
1千円実費
郵便通信費実費
合計報酬
合計額①
実費
合計額②
消費税税額③
総額①+②+③

〇 (追加加算について)1人が複数申請する場合は、2申請目以降、1人追加と同じ加算規定に従います。