(個人情報の関係で案件の詳細は割愛しています)

昭和の時代に亡くなった被相続人の財産に関し、最近になって、とある筋から請求書が届いたという案件で、スマホで検索して、報酬額が何千円と表示していた事務所に相談したところ「いろいろと論点があるので25万円程度の見積もりになります」と説明されたとのこと。事情・経緯をお伺いしてみれば、確かにいろいろと論点はあるものの、適切に手続きをすれば相続放棄は受理されるものと思われたので、そのように説明して受任しました。当事務所では、その場合でも、相続放棄の報酬については、成功報酬ではなく、書類の作成や提出に対する手続き報酬として想定しているため、ホームページに記載しているとおりで特別な加算はありません。なお、申述書は、定型書式では書ききれないため、訴状と同じ書式で作成し、相当の疎明資料を添付して裁判所に持っていきました。

また、上記とは、全然、別件になりますが、随分と前の相談で、相続放棄の報酬で弁護士にウン百万円支払ったという相談を受けたことがあります。〇億円の相続放棄が認められたから、成功報酬として〇%になるという計算での請求でした。それに関しては、弁護士会に対し、いろいろと考えうる手続きを申し立てて、相当額を返却するという和解で解決に至りました。

もちろん、相続放棄の申述書を作成するにあたり、相当の考案を要する場合もあり、そもそも、どのような報酬規程にするのかは各事務所の自由であるし、また他の事務所が設定した報酬について高い安いということではできないので、ここで書けるアドバイスとしては報酬がいくらなのか事前に十分に確認してくださいという他ありません。それでも、検索結果のページに随分と安い値段が記載されていて、それで済むと思って専門家に相談したら、結局、1人頭3,4万程度支払ったということはよく聞きます。この点、弁護士や司法書士のサイトの場合、どのサイトも嘘は書いていないと思いますが、なかなか全部を読んで理解するというのも難しいものです。

いずれにせよ、誰しも「安く済ませたい」もの。それは自宅の水道が壊れた場合などと同じで、「安く」が優先順位として上位にある場合は、裁判所のサイトなどを参考にして、頑張って最初から全部自分でトライしてみることをお勧めします。案件によりますが、水道をDIYで直すよりはリスクが少ないのかなと思います(どうだろう?)。

当事務所のお見積りについて不明な点があればお気軽にご連絡下さい。

原則的にホームページ上で提示した額を上回ることはありません。

これまでにあった例外は、本人の意思を確認するために遠方まで出張した際に出張日当・交通費を頂きました。

そんなところでしょうか。

ちなみに、冒頭の相続放棄は早々に「受理されました」という連絡がありました(おそらく、大阪の家裁は同順位の相続人全員が相続放棄をする場合は、照会手続きを割愛するという運用をしていると思います)。

よかった、よかった。