不動産の名義変更の相談で、最初、当事者の2人が一緒に事務所に来ることになっていたのですが、いったん、電話を置いた後、当事者の一方から連絡があって、「先に1人で相談したい」とのこと。それで、先にその人に来てもらって、いろいろと事情を聞いた上で、これは受任をしない方がよいと判断し、あとで来たもう一人の方にそう伝えたのですが、これが納得されないのですね。

で、ここで守秘義務の問題なのですが、2人で相談したいとアポを受け、その後、一方当事者から受けた相談について、その事情を他方当時者に説明してはならないという守秘義務があるのか?

これはやはりありますよね。

そもそもトラブル案件だから断るわけなんだし。「もう一人の方に事情をきいてください」と言えれば楽なんですが、それも言えない。そんなことを言えば、全部言っちゃったのも同じことである。それに、先に来た方は黙っちゃってるし、言ってほしくないのは明らかだったし。

で、それとは別に、司法書士には、原則、登記業務については受任義務があるので受任できない理由を説明しなければならなく、それを説明してしまえば、守秘義務にひっかかる場合、どちらを優先すべきかという問題が生じるのですが、今回は守秘義務を貫くべきだと思い説明しませんでしたし、そもそも当事者の一方は消極的であったので問題がないとは思いますが、なかなか悩ましい案件でした。

何にせよ、「少しだけ言う」なんてことはできないのである。