協議離婚による名義変更

お願い
  1. 協議離婚による名義変更のご依頼をされる場合について、司法書士には本人確認義務がありますので、ご夫婦(元ご夫婦)のどちらにも直接お会いし、委任状を受ける必要があります。
  2. 特に、財産分与する側については、その方は不動産の名義人であり、不動産を失う側の人なので、本人確認手続きを簡略化したり、省略することはできません。
  3. ただし、個別に本人確認すれば足りますので、双方が同席する必要はありません。
  • 日本では協議離婚が場合が多く、公正証書を作成する場合もありますが、個人間で離婚契約書を作って済ませる場合も少なくありません。実際には契約書そのものがないことも珍しくありません。調停調書がある場合と違って、財産分与による名義変更登記を申請する際は、「財産分与を受ける側」と「財産分与をする側」が協力して、共同で申請手続きをすることになります。印鑑証明書には有効期限(発行から3か月)がありますので気を付けて下さい。
  • 「住宅ローン」が残っている場合は、金融機関との調整が必要です。所有者が変わる以上、原則的には、いったん完済して、あらたな所有者名義で住宅ローンを組む必要があります(借り換え)。

協議離婚による名義変更

【お見積りについて】
🔶「公正証書」がある場合は「離婚協議書」の作成は不要です。
🔶(※1)は登記の内容によって必要となる場合がありますが、(※2)は必ず登記しなければならないものではありません。
報酬実費
事前登記確認334
×不動産の個数
登記申請38,000不動産評価額
×0.02
離婚協議書
(登記原因証明情報含)
10,000
(※1)財産分与者の住所変更が必要な場合4,7001,000
×不動産の個数
(※2)共有の場合で、氏名変更も同意にする場合4,7001,000
×不動産の個数
完了謄本500
×不動産の個数
郵送費実費
合計額報酬
合計額①
実費
合計額②
消費税税額③
総額①+②+③

TEL:06-6310-8846

離婚協議書
  1. 離婚協議及び離婚協議書の作成は、離婚の前後のどちらでも構いません。
  2. 離婚前に離婚協議が成立した場合は、離婚日が「財産分与」の日となり、離婚後に離婚協議が成立した場合は、その日が「財産分与」の日となります。
  3. 離婚協議書とは別途「登記原因証明情報」を作成する場合は、文言的には厳密でなくても構いませんが、離婚協議書を「登記原因証明情報」とする場合は、「甲は乙に対し、財産分与を原因として、所有権移転登記手続きをする」などの文言を記載下さい。

調停離婚による名義変更

 既に家庭裁判所での調停が終わり調停調書を取得した場合

調停離婚による不動産の名義変更

報酬実費
登記確認
(ネット謄本)
335
×不動産の個数
名義変更登記申請48,000不動産評価額
×0.02
(※)名義人(分与者)の住所変更が必要な場合4,7001,000
×不動産の個数
(※)共有名義の場合、氏名変更が必要な場合4,7001,000円
×不動の個数
戸籍等の代理取得1,000
×取得通数
実費
税評価証明の取得1,000
×役場数
実費
完了謄本500
×不動産の通数
合計報酬
合計額①
実費
合計額②
消費税税額③
総額①+②+③

名義変更に関する注意点

  1. 調停調書には、当事者(元夫、元妻)の氏名及び住所が記載されていますが、その住所の表示が登記事項証明書の住所と異なる場合は、所有権の名義変更の前提として、財産分与者の住所の表示を変更(または調書の更正)する必要があります。また、不動産が共有の場合で、離婚に伴って氏を変更する場合は、共有名義側の氏名変更を同時に申請しておくことをお勧めします。
  2. 調停を申し立てるする場合、相手方の住所を記載することになりますが、住所と居所(実際に住んでいる場所)が相違する場合などは、「登記記録上の住所」を併せて、記載しておくことが肝要です。登記については、一言一句が大切になりますので、まだ調停が終わっていない場合には、調停調書が出来上がるまでに名義変更の登記をするために必要な記載を盛り込むように、裁判所書記官などに申し入れてください。

不動産の財産分与に伴う税金の問題

  1. 【財産分与を受ける側】財産分与によって取得した不動産については、社会通念に照らして相当な範囲・程度のものは、原則しては贈与税は課税されないものと考えられます。
  2. 財産分与をした側:譲渡所得】その不動産の分与によって、分与者の財産分与義務が消滅するという経済的な利益を対価とする有償による譲渡であると考えられるため、財産分与時の価額(時価)によって譲渡されたものとみなして、譲渡所得税の課税対象となります(最判昭和50・5・27)。正直、司法書士としても、随分と理解に苦しむ判例ですが、今も実務上はそのように扱われています。つまり、譲渡する資産(例えば、不動産)がそれを購入したときよりも資産価値が上がっている場合には、その分与時の価額(実勢価格)から取得費を控除した差額について、分与する側が利益を得たものとされ、譲渡所得の申告が必要になるということになります(国税庁のサイト:離婚して土地建物などを渡したとき)下さい。
  3. 実際には、マンション等は購入したときから価額が値上がりしていることは一般的にはないと思いますので、一軒家の名義を変更する場合で、主に土地の評価が取得時よりも相当程度上がっている場合に問題となります(譲渡益がない場合は、申告もする必要がありません)。
  4. この点、確定申告をする場合の「譲渡所得の内訳書」の様式には、特に「財産分与」の場合についての記載欄が設けられているわけではないので、時価をどのように考えればいいのかについてはいろいろと考え方があります。「固定資産税評価証明書」を取得し、その額から割り戻しをして検討をつけるケースや、路線価を参照にする場合、あるいは次のサイトのような情報を参照にする場合があります。マイホームの特例が適用される場合は、3,000万円の控除が受けられますので、それほど厳密に考える必要もないかもしれませんが、いずれにせよ、事前に税務署に直接相談ことをお勧めします。

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自宅の場合(マイホームの特例)
  1. 離婚後に居住用の不動産を譲渡した場合は、すでに夫婦ではありませんので、要件が整えば、3,000万円の特別控除が受けられます。
  2. マイホームを売ったときの特例(国税庁サイト)
  3. おそらく多くの場合は、この特例の控除枠を使えば計算上ほとんどの場合が課税されない場合にあたると思います。